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鍵盤の魔術師参上! [ピアノ]

好きでもなかったピアノが好きになるきっかけといえば、
私にとってはホロヴィッツ(の録音)との出会いに尽きますね。

1986年(もう20年も前か・・)は、トスカニーニ生誕120周年であり没後30周年でもあって、NHK-FMでトスカニーニの特集番組が放送されていました。
もともとトスカニーニの指揮する演奏はどういうもんなんだろうという気持ちでそれらの番組をエアチェックしながら聴いていたのですが、何日目かの番組表に、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番で、ピアノがホロヴィッツの、1943年のライブ録音がありました。

あ、ホロヴィッツって、1983年に初めて日本に来て、チケット破格の5万円!(今でもそんな値段のチケットを出せる人はいまい)で即完売だったけど、演奏は「ひびの入った骨董品」と酷評されたあの人か、という程度にしか思いませんでした。しかも、1943年の録音じゃ、当然音も悪いし、ま、とりあえず聴いてみますか、くらいの軽い気持ちで聴き始めました。

有名なオケの出だしの音の緊張感がすごく、「おぉーっ」と思っていた矢先、一発目のものすごいピアノの音を食らって椅子から落っこちそうになりました(笑)。
このピアニストはいったい何者だ?その後も聴き手に一瞬たりとも気を抜かせることを許さない、呼吸もさせてくれないような、そりゃ恐ろしい演奏でした。曲が終わってもずーっと鳥肌が立ったままで、今聴いたのが何なのか訳がわからず、エアチェックのテープを速攻でまき戻して聴きなおしてみました。

結局、連続で4,5回くらい聴きましたかねぇ、それくらい衝撃的な演奏でした。

それからですね、ピアノ=えらくない、ではなく、ピアノ=凄い、と思い始めたのは。
それまで、退屈だと思っていたピアノであんなことが出来てしまうのかと、心底から驚きました。
これが、『鍵盤の魔術師』と呼ばれる所以だったんですね。

それ以来、(当然の如く)ホロヴィッツの録音を探しまくることに。。。。。

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ちなみに、これが、そのチャイコフスキーが入ったCD。1943年のライブ録音。
(うーん、発売が古いので入手は厳しいか・・・・)
カップリングの「展覧会の絵」ホロヴィッツ編は、ムソルグスキーのピアノ版(原曲)をホロヴィッツがもっと豪華に編曲したもの。「キエフの大門」の豪華さも凄いですが、なんでもないところの歌いっぷりがすばらしいです。特に「殻をつけた雛の踊り」の演奏はリアルすぎて恐ろしいものがあります。

チャイコフスキー:P協奏曲第1

チャイコフスキー:P協奏曲第1

  • アーティスト: ホロヴィッツ(ウラジミール), NBC交響楽団, チャイコフスキー, トスカニーニ(アルトゥーロ), ムソルグスキー
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 1992/09/23
  • メディア: CD


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