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ニューヨークの銘器で聴く 江口玲&阪田知樹デュオ [ピアノ]

6/19は毎年楽しみの江口玲さんのピアノリサイタル。
最近は、江口さんと、もう一人、新進気鋭の方との共演、
というスタイルになってきたようです。

※ もう少し早く記事アップしようという気はあったのですが、
  6/16頃から風邪ひいてガラガラ声になるは、
  熱が出て咳が止まらないは、と。。
  1週間しても咳がまだ残ってまして、でも、
  運よく6/19は熱が下がって、かつ、まだ咳が爆発する前でホント良かったですw
  
そのもう一人の方、今回は、阪田知樹さん。
この阪田さんは、2016年のフランツ・リスト国際ピアノコンクールで、
アジア人男性初の優勝という、凄い経歴の方とのこと。
初めて聴く方です。(というか、これまで毎回そう)


619s.jpg


場所は四谷の紀尾井ホール。
ギル・シャハムさん、江口玲さんのリサイタル以来、ここで聴くのは2回目。
前回、2階席でなかなかいい感じだったので、今回も2階席で。


ファンにはおなじみの、2台のNYスタインウェイ、
CD75とローズウッドさんが舞台中央に鎮座。
ローズウッドさんは「屋根」を外して低音側を客席に向けてました。


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先に、この日発売の江口さんのドビュッシーのCDをゲット。
#演奏後、サイン頂いたのは言うまでもありません(^w^)


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曲目は、ブラームスの2台ピアノで最初と最後を挟み、
その間を、阪田さん、江口さんが1曲ずつソロ、それを2回弾くというもの。

ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 Op.56b
ラフマニノフ:チェロソナタト短調Op.19より第3楽章《阪田知樹》
(阪田知樹による編曲)
パデレフスキ:「ミセラネア」Op.16より第2曲「メロディ」《江口玲》
リスト:超絶技巧練習曲S.139, R.2b 第4曲「マゼッパ」《阪田知樹》
リスト:ハンガリー狂詩曲第2番 嬰ハ短調 S.244/2《江口玲》
ブラームス:2台のピアノのためのソナタ ヘ短調 Op.34b

私的にはそれぞれの持ち味が良く感じられるソロが良かったです(単に好みです)。

最初のブラームスのハイドンの主題による変奏曲の2台ピアノですが、
この時点で、特にローズウッドさんの音色が良く響いて、
なんだかその後の展開もワクワクしながら聴いていました。

さぁて、ソロの部に、、、と思ったら、
次の阪田さんではなく、両方のピアノを所有されているタカギクラヴィアの方々が数人登場。

そうか、今回のタイトルと、プログラム構成、意味が分かりました!


左のCD75は屋根を閉じて、左奥に下げ、
右寄りにいたローズウッドさんに屋根を取り付け、180°ターンし、中央に位置修正。


2台ピアノと、2人の演奏者が、2台の楽器にはこれ!という曲を持ち寄ったソロで、
その楽器の特徴を設定もベストな状態でしっかり聴き比べてもらいましょう、
という一手間かけてのなんとも贅沢な企画。

最初のソロのローズウッドさんには、
まず阪田さんが、ラフマニノフのチェロソナタの阪田さんによるピアノ編曲版。

いや、いきなりでしたが、これ、とても良かったですよ~♪
演奏するのも普通のピアノより難しいということ楽器、
時に弦楽器のような、時に人の歌声のようなこの楽器の特徴を上手く引き出して、
さらにそれがご自身が編曲されたこの曲の演奏のさまざまなシーンと実によく合っていて、
たぶん、現代のピアノでは聴けない、表情豊かで味わい深い立体的な演奏でした。
気難しいローズウッドさんも、楽しそうに歌っているような表情に見えました。
掛け値なしに聴き入りました!

次の江口さんxローズウッドさんのパデレフスキーのロマンスは、ゆったりとした流れで、
音の一粒一粒の音色の変化と余韻が体に沁みる、演奏。
音の伸び、立体感、歌いっぷり。。。もう言葉が出ません。。
余韻が消えてゆくその瞬間瞬間がまた堪らなくセクスィです(^^
江口さんでこの曲を何度か聴きましたが、
この日のローズウッドさんとの演奏は特に素晴らしかったように思いました。
まさにローズウッドさんとだからこそ辿り着くこの境地。。
いいなぁ、私もいつかは弾いてみたい、頑張ればこの曲弾けるかも、、、
と毎度思ってしまうのですが、あのクオリティを聴いてしまうと、
そういう話じゃないよねって思ってしまいます・・・・・・・(笑

この2つの演奏で、すでに大満足(^^
次は、この日105歳の誕生日のCD75の出番。
タカギクラヴィアさん再登場で、ローズウッドさんと場所交代です。

ローズウッドさんに匹敵する音色の変化に加え、パワー的にはさらに上を行くこの楽器、
阪田さんも江口さんもリストの超技巧的な曲をチョイス。
阪田さんは「マゼッパ」、江口さんは「ハンガリー狂詩曲第2番(ホロヴィッツ版)」。
たぶん、お二方とも、やっぱりCD75にはリストだよね、と選ばれたんでしょうか?

このお二方とも、技巧面は語る必要はないかと思います。十分凄かったですよ。
そして、やはり、その先の楽器の良さを上手く演奏に生かした見事な歌いっぷり。
ホロヴィッツのいう、「Perfection itself is imperfection」ということでしょう。

阪田さんの演奏中の動きは、江口さんに似て無駄な動きが少なく地味です。
私はとても好きですよ、そういうの。
お二人の演奏をついつい手で小さくリズム取りながら聴いていました(^^

ホロヴィッツも「ポーズはやらない。音で表現するから。」という趣旨のことを語ってましたね。

見た目は淡々と弾いていて、でも歌いまわしや音色の変化が豊か。
遠目にも、楽器の音をよく聴いて演奏されているのを感じました。
それは楽器への尊敬の気持ちの表れでもあるのかな、思いました。
出てくる音楽はとても暖かく、聴いていてとても心地良かったです。
たぶん、これからもどんどん伸びて行かれる方なのではないかと感じました。
阪田さんの今後のご活躍にも期待したいと思います!

CD75の誕生日のコンサートとして2012年から始まった6/19のコンサート。
でも今年の6/19はローズウッドさんが2002/06/19に復活してから15周年なんですね。
それもあるのか、この日のローズウッドさんの声は特に輝いていて、
「今日はワシが頂いておくぞ!」という得意げな表情だったように感じました。


DSC00891_s_s.jpg
ローズウッドさんのフレームの「Franz Mohr June 19.2002 CH NewYork」
さすがに、蔵出し写真です(^^;


あ、コロンビアさんが、コンサートの録音をされていたとのことですが、

ぜひ、CD化をお願いします!!

#できれば、SA-CDのハイレゾ希望!!!


*  *  *  *  *

この日発売の江口さんのドビュッシーアルバム。
ピアノは全曲ローズウッドさん。
アンコールでは、江口さんがローズウッドさんでその中の
「グラナダの夕べ」を弾いていました。
初めて聴く曲でしたが、美しくて、前のめりで聴いていました♪


Tableaux de Debussy ドビュッシー:「音の絵」

Tableaux de Debussy ドビュッシー:「音の絵」

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: NYS-CLASSICS
  • 発売日: 2017/06/19
  • メディア: CD

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コメント 4

kinkin

最近、風引いている人多いですよね・・・・お大事に。
by kinkin (2017-06-27 05:14) 

さといも野郎

>kinkinさん
 私の部署の中にも同じタイミングで風邪ひいて、
 同じように長引いている人が。。今朝もまだ咳が残ってます(+_+)

>朝蔵哲也さん、YUTAじいさん、あるまーきさん、AKIさん、ネオ・アッキーさん、
 あおたけさん、ぷっぷくさん
 nice! ありがとうございます。

by さといも野郎 (2017-07-01 08:38) 

schnitzer

風邪は治りましたか?
暑かったり涼しかったりで体調を崩してしまいそうです。
ピアノの生音、久しく聞いておりません。
生音楽に飢えてます(笑)
by schnitzer (2017-07-02 20:22) 

さといも野郎

>くまらさん、tommy88さん
 nice! ありがとうございます。

>schnitzerさん
 年のせいか、治るのに2週間以上かかりました(泣

>みっち〜さん、ちょいのりさん、takaさん、@ミックさん、鉄腕原子さん、
 きたろうさん、ニッキーさん、えーちゃんさん
 nice! ありがとうございます。

by さといも野郎 (2017-07-15 13:09) 

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